私は、極力他人のミスを責めないようにしている。それにはいくつか理由がある。
まず1つ。私自身もミスを犯すから。人間は完全な生き物ではない。だからこそ、ミスを犯す。それを責めるということは、逆の立場に立ったとき責められても仕方がないのである。
もう1つ。過ぎ去ったことを責めても意味はないから。それよりも、「同じ失敗を繰り返さないようにするにはどうすべきか」を当人と考えるようにしています。1度のミスは仕方のないことなのだ。
さらに、その人の事情も考える必要がある。例えば、初めて来日した外国人に人参を買ってきてと頼む。当然ミスをするであろう。それを責めることは実にナンセンスだと思う。相手がなぜミスを犯したのか、その行動をとったのか、それを突き詰めることが大切だと考えている。
ただし、私が叱るミスもある。1つは同じ失敗を繰り返したとき。一度誤ったことを再び繰り返すのは学習能力の無さがゆえ、すなわち過去のミスを教訓にできていないと私は考える。なので、その場合は叱ることにしている。しかし、叱った後、「じゃあもっと違う方法を考えてみようか」と3度目のミスを防ぐ術を一緒に考える。
もう1つ。それは命に関わるミス。例えば、包丁をテーブルの端っこに置くなどである。この場合は叱ることにしている。命より重いものはないと私は考えているからだ。
とはいえ、人間はミスをする生き物だ。ミスに寛容に、ミスをしたら繰り返さないように、そう心がけて生きたい。
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