逆襲の布石

日産を追われたカルロスゴーン氏が日本から逃亡をし数週間が経ちました。その後、レバノンで行われた彼の弁明会見。それを見た私は、彼は自身の今後のことをとても意識しているように思いました。

まず、出席できる日本のマスコミの中に出版社を入れたこと。放送局と新聞社はニュースとして流してもらうため、これは自明でしょう。ではなぜ、出版社が含まれたのでしょう?

私は、これを「暴露本への布石」ではないかと考えています。出せば(日本では)ヒットするでしょう。その契約にあたって、今回出席した出版社へは恩を売った形になるので、契約金は高めに設定することも考えられます。また、他の出版社は(本気で出したいと考えるなら)、負けないようにより良い条件の契約を彼に提示するでしょう。結果的に、利を得るのはゴーン氏自身と言うことです。

また「暴露本への布石」は会見の内容にもあると私は思います。当初、日本の政治家などの名前が暴露されると流布されましたが、それはほとんどありませんでした。逃亡方法も結局隠されました。それにより失望した出席者も居たようです。でもそれも、「暴露本への布石」でしょう。つまり、がっかりする印象を与え時間を数年置く。その後、「あの時の全てをこの本で暴露!」なんてあったら、それを見た人は「あぁそうか!これを読んだら全てが分かるのか!」となり売り上げが上がる訳です。

放送局と新聞社を1社ずつにしたのも彼の作戦でしょう。それは、少なくとも日本では映像も写真も出席した1社の素材を使うのみです。つまり、出席できなかったマスコミは映像や写真からしか内部の状況が分かりません。それは、ある種の言論統制です。彼は日本人への露出は控えたいと考えたでしょう。それは当然バッシングをかわすためです。余計な弱みを握られたくないからです。その手段として、出席者の制限をしたのでしょう。さらに、こうすることで余計な質問が増えず、弱みを隠せると利点だらけです。

ただそれをすると、出席できなかったマスコミが何を言うか分からない。だから、建前でも「会場のキャパシティ」を理由にし、他国の一部メディアも出席させなかったようです。他国の一部メディアが出席できなかったのはブラフでしょうね。

今彼には目立った収入源がありません。今後、息長く収入を見込むなら書籍は持ってこいでしょう。彼も意欲的です。彼のセンスはピカイチです。もっと私たちが考えつかない伏線を張っているかもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください