働き方改革

今日、自宅の郵便ポストに入っていたお知らせ。「郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を改正する法律(令和2年法律第70号)」に則って郵便事業のサービスが変わる。今年10月1日からだ。郵便局のホームページにも特設ページがある。

私たちにとって特に影響が大きいのが「土曜日の配達業務の休止」と「配達にかかる日数が伸びる」と言う2点だろう。
「土曜日の配達業務の休止」と言うのは文字通りで、10月以降は土曜日に普通郵便(速達や書留などを使わない郵便)が来なくなる。郵便配達も完全週休二日制となるわけだ。
「配達にかかる日数が伸びる」と言うのは、10月以降は現在かかる日数+1日の日数が必要になる。ただし、こちらは10月以降段階的にと言う注釈が付く。

この改正での影響を考えてみる。一番影響を受けそうなのは3連休だと思う。簡単にシミュレートしてみよう。想定として、3連休の2日前に自宅最寄りの郵便ポストから普通郵便を差し出す。差し出す時間は郵便ポストの集配に間に合うように、宛先は自宅とする。
この想定で、自宅ポストにて受け取るまでの時間をまとめると以下の図となる。

郵便配達ルール変更3

図の通り、3連休の2日前に出した郵便が9月までは翌日(3連休前日)、10月からは3連休明けに届くことになる(「段階的に」の事項が完全に施行された後の話であることに留意)。もちろん、遠方宛の手紙は更に影響が出ることになる。これは明らかに不便だ。

しかし、私はこの改正に賛成の立場である。理由は2つある。「郵便配達員の労働環境の改善」と「付加サービスへの適切な価格転嫁」だ。
私は、郵便関係の仕事については全く何も知らない。だが、少なくとも郵便局から自宅までは郵便配達員が配達をすることは知っている。土曜日の配達業務を取りやめることで、その方々の完全週休二日が(より容易に)確保できるはずだ。
また、今後は「より早く届けたいなら相応の料金を支払う」と言う流れになるだろう。これは鉄道の考えと同じだ。時間があるなら鉄道の普通運賃で各駅停車や快速に乗る。一方、急ぎたいなら特急運賃を追加して払い、特急や新幹線に乗る。今後は郵便も同じ考えとなる訳だ。

最初は不便に感じるかもしれない。しかし、我々には適応能力が備わっている。消費税の軽減税率やレジ袋有料化だってなんだかんだ言って慣れた方が多いのではないだろうか。郵便もきっと同じだ。来年の今頃には「そんなこともあったねぇ」なんて言っているだろう。
また、 「付加サービスへの適切な価格転嫁」 と言うことも大切だと思う。全日本トラック協会が『「送料無料」じゃありません!』と言うページを公開したことは個人的に印象に残っている。よくよく考えれば、Amazonも配送料を無条件で無料にするにはprime会員になるしかない。これもきっと「付加サービスへの適切な価格転嫁」の結果なんだろう。企業は利益を追求する。だからこそ、サービスに価格転嫁するのは正しい。その考えが半官半民の企業にまで波及している。今後は更にこの考えが加速すると私は考えている。

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